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より美味しい”二日とろろ汁”を作るなら必須の”マルホンのすり鉢” 直接、駄知町の工場まで買いに行き使ったら凄かった!自然薯一本ダイレクトに擦れる名品!

”二日とろろ”は土岐市の習慣

若い人は知らんかもですが、土岐市をはじめ東濃地方では、お正月2日の日に”とろろ汁”を食べる「二日(ふつか)とろろ」が古くからの風習となっています。

それは、年末に続く忘年会の席や年明けなどで疲れた胃を元気にさせる為であったり、沢山ごはんを食べれるようにして風邪を引かないようするなど、その由来は諸説あるようです。

やまだ家も特にここ最近は、良質な地元の自然薯(じねんじょ)がゲットできるようになったこともあり、年末年始はとろろ汁でパワーアップさせるようにしています。

 

 

おろし金、擦り金ダメ。ミキサーは論外。

やまだは、この自然薯を年末になるとお客様へのお歳暮としてお渡しさせて頂いているのですが、自然薯を使ったとろろ汁を作るのはどうやればいいのかご存じない方も中にはいらっしゃいます。

そのままかぶりつく?包丁で切る?

答えは、すり鉢で擦る です。

鮫皮おろしは、ワサビなど擦るのに良いですが自然薯はやっぱりすり鉢がベスト

 

すり鉢なんて持ってない?

今の都会に住む一般ご家庭には、もしかしたらすり鉢なぞ存在していないのかもしれません。

「えー?だいこんおろし用のすり金(おろし金)でいいんじゃない?」

「んー、面倒だからミキサーでやっちゃえ」

「料理好きな私は、フートプロセッサーで全自動一発よ」

以上、3点はすべて不正解。

自然薯の味も香りも粘りもすべてをもって美味しく食べるなら、絶対的に”すり鉢” なんです。

 

お詫び

以前のブログにて「最初におろし金で大まかにすってから、すり鉢で擦る」と記載させて頂きましたが、これは間違いでした。たまに料理好きの方の記事でも上記の方法で記載されていらっしゃいますが、一番美味しく作れるのは ”すり鉢でぜんぶ擦る” です。

それだめー

「おろし金で大まかに擦ってから、すり鉢で擦る」という、このやり方では本当に美味しいとろろ汁は作れない。

それだめー

 

すり鉢のプロもこう語ってます

 

すり鉢で擦るのって大変!途中で詰まるし疲れるし。

というのもよく分かります。去年まで自分も同じように思ってましたし、実際におろし金(鮫皮おろし使ってました)で擦ってから、すり鉢で擦って作ってましたから。

でも、擦りやすいすり鉢があったら、きっと皆さんすり鉢だけで全部擦るかと思います。

鮫皮おろしは、ワサビを擦るにはベスト。

 

っという訳で、本物のすり鉢を求めて駄知町へ足を運んだ。

 

駄知町はどんぶり&すり鉢のまち

駄知(だち)と言えば、道の駅(どんぶり会館)のイメージから、どんぶり生産で盛んなイメージが強いのですが、実は”すり鉢”生産のシェアも多い町だったりします。

 

町内には、すり鉢館もあり、館内では、いろいろなすり鉢が見学できます。

すりばち館は予約制です。駄知イベント開催時は一般開放もされています。

日本一のすり鉢の展示もあったり

すり鉢ギャラリー

過去にここでジャズコンサートも開催されたそうです。

すり鉢が購入できる展示販売スペース

窯のレプリカ?

趣のある通路

昭和の家庭には、当たりまえのようにすり鉢が置いてあった。

すり鉢の歴史

毎年5月のゴールデンウイーク頃になると芝桜が見ごろを迎えます。

造園屋さんが一生懸命に整備して、来場者を和ませていらっしゃいます。

 

すり鉢を作るのは、マルホン製陶所さん

すり鉢館の運営会社でもあり、すり鉢市場の6割を占めるのはマルホン製陶所さん。

2019年11月に放映されました、テレビ東京系番組『たけしのニッポンのミカタ!』にて、ここ土岐市駄知町にあるマルホンさんが紹介されました。

一流料理人から『どこのメーカーかは知らないが、このすり鉢なくして仕事は出来ない』と評されるすり鉢が実は美濃焼の里、土岐市産であることと同時に、岐阜の魅力の一つとして周知のきっかけになったかと思います。

 

だから、本物のすり鉢を買いに駄知町に来た。

仕事の合間ではありましたが、やっぱり美味しいとろろ汁を作るには一級品のすり鉢が必要だと思い、マルホン製陶所さんへ直接買いに行きました。

冬は特に繁忙期。事前に電話予約されるのがマナーです。

ここが事務所

電話口で教えていただいた事務所が分からず、なんと製陶所工場内に入ってしまいましたが、忙しい中、テレビでも映っていた奥様は手を休めてくださり対応くださいました。

すべてはグーグルマップのいたずら

 

本当の入り口はこちらの事務所から

来客用駐車場も事務所向かいにあります。

 

この失敗は功を奏し、工場内をちょっとだけ見学できた。

忙しいこともあったと思いますが、テレビでも映っていた奥様は一見そっけない雰囲気を出されていながらも丁寧に道案内をしてくれたり、製品を紹介してくれたりと、どこか不器用な昭和人の優しさを感じました。←誤解なきように

天井で乾かされているすり鉢の数は圧巻である。

 

「わざわざ来てくれたで、千円でええよ」

工場内に完成されて出荷前のすり鉢から、これが欲しいです。っと8寸片口付のすり鉢を選ぶと、奥様の口から驚きのビックリプライス「本当なら3千円するけど、千円でええよ」っと!

しかも、この小ぶりなすり鉢(写真左側)もサービスでくれました。

エッヂの効いたさすがの櫛目(くしめ)

一か所だけ入った斜めの擦り部は小さくなった自然薯など擦るのに便利。ほんとよく考えられている。

型で作られたものでは、再現できない櫛目には、職人の魂的な何かを感じる。

汚い指で申し訳ないですが、櫛目を指でなぞると違いが分かります。

この片口は便利。とろろ汁をツツーっと垂らすこともできそう。

 

8寸サイズは、3~5人家族にちょうど良い大きさ。

すり鉢の底面にはすべり止めの加工がされている。

ザ・すり鉢の刻印(〇に本)

しかも、こんな可愛らしい4寸のすり鉢をサービスしてくれました。

ごまを擦ったりするのに良さそう。

ちっさいのは4寸サイズ。

同じように櫛目が入ってます

まじすか?ほぼいきなり押しかけてきて、工場に無断で立ち入った輩にここまでのサービス。しかも地元人です、ぼく。

「今日あったこと、宣伝します!」と伝えると「ありがとね」っと足早に工場へ戻られていかれました。

一応「ものすごい割引して貰ちゃいましたけど、これもブログで紹介しちゃっていいですか?」ってちゃんと確認してますが(見てくださる方いらっしゃるので)本当に大丈夫なのだろうか?少し心配です。

 

去年まで使ってたすり鉢と、マルホンのすり鉢を比較

こういう比較っというのも気が引けますが、去年までやまだ家で使っていましたすり鉢(Amazonで買ったやつ)とマルホンのすり鉢を比較してみました。

去年までの物の方がさっぱりしててシンプル。マルホンのすり鉢のはグラデーションが綺麗。

去年まで使っていたものは、ストレートに一直線の櫛目のみ。マルホンのすり鉢は、櫛目にパターンがあって使い分けにバリエーションが持てる。

何よりこの櫛目の違いが大きな差となっている。

マルホンのすり鉢は、エッヂが立っていてとにかく擦りやすい。東京の名店がこぞって選ぶのも理解できる。

Amazonで買ったものは、エッヂがなんだかのこぎりのようにギザギザで擦るのに力がいるし、すぐ詰まるし、結局全然擦れなかった。→だからおろし金で擦ってから、すり鉢で擦ってねという提案になってしまった

比べるとよくわかりますが、全然違います!

あと、洗う時も櫛目がしっかり作られているおかげか、流水でササっと簡単に洗えることも分かりました。今までのとろろ汁作りは何だったのだろうか・・・。

もっと早く買って使っておけば良かったと後悔するし、すり鉢の良し悪しでとろろ汁作りのイメージさえも変わってしまう。

 

 

マルホンのすり鉢でとろろ汁を作る!

っという訳で、小川農園の自然薯 × マルホンのすり鉢 が揃った!いざ、擦るべし!

小川農園さんの直売所入り口にも、マルホン製陶所さんのすり鉢が展示されている。わかっている人は誰もがマルホンのすり鉢を使っているってことか。

 

自然薯とろろ汁の作り方(やまだバージョン)

用意した自然薯は、やまだブログでもお馴染みの鶴里町小川農園さんの自然薯。

12月、広報ときにも掲載された。ふっ、ぼくは何年も前から知ってたさ

このサイズだと1000円程度で買えますし、実際3人家族でしたら2回はとろろ汁楽しめます。

さすがに長いので、半分に折ります。繊維質を壊さないよう折るんです。包丁で切っちゃだめ。

自然薯のひげをバーナーで炙って焼き切ります。熱いのでやけどに注意してね。

コツは、自然薯に直接火を当てるのではなく、ひげから少し離れた空間を狙って焼きます。ひげはすぐに焼き切れますのでササっと行います。

バーナーがない人は、ガスコンロやカセットコンロ、ライターでも可能ですが、やけどには注意してくださいね。

全体のひげが焼き切れましたら、ササっと流水で手洗いします。たわしを使ってごしごし洗うのはNG。

自然薯の皮にも風味がありますので、あくまで残った土や焼けたひげを落とすくらいに洗います。

完璧にきれいにする必要はありません。だいたいこんなくらいでOKです。

洗った自然薯を軽く拭いてもいいですが、拭かなくてもOKです。タオルの繊維が入り込むと嫌なので、ぼくは拭かずにそのままです。

これで自然薯を擦る準備ができました。

いざ、マルホンのすり鉢で自然薯を擦ります!

・・・っ!!

・・・擦れる。

擦れる!

 

『私にも、自然薯が擦れる!』シャア風に

本当に驚いたのは、力がそれほど要らずにどんどんと自然薯が擦れること。

ここまで、一切すり金は使っていません。マルホンのすり鉢だけで簡単に自然薯が擦れています。

自然薯の皮の部分に香りや栄養素がある。皮が入り込んでも気にしなくて大丈夫です。むしろこれがいいのである。

自然薯が小さくなっても、櫛目がしっかりしているので、指でつまんで擦れる。

この粘り強さ。

もちろん、小川農園さんの自然薯自体も素晴らしい。

どのくらい粘り強いのかと言いますと、すり鉢をひっくり返しても落ちて来ないってくらいです。

小さくなった自然薯は、パターンの違った平らの櫛目部分で擦りやすい。

わお!自然薯が全部、マルホンのすり鉢で擦れました。

ここからは、擦りこぎ棒の出番です。

擦りこぎ棒に関しては、どこがいいか知りません。これも確かAmazonで買ったやつ。

擦りこぎ棒からの工程はあっという間。

すり鉢の底面に滑り止め材がついているので、安定して擦れる(誰かの抑えも皆無に等しい)

ちなみに、小川農園さんの自然薯の粘り強さは折り紙付き。この、すり鉢を逆さまにしても落っこちません。

やっぱり小川!逆さにしてもだいじょうーぶ♪ っていうCM作りましょう!

ここからは、出汁と混ぜていきます。

やまだ家では、嫁さんが担当になっていますので、配合は不明ですが茅乃舎さんの出汁から作っている様です。味噌をまぜるご家庭もあれば、各家庭それぞれ。クックパッドで調べても面白いかもしれませんね。

一度に全部入れるのではなく、様子を見ながら回数を分けて混ぜて行きます。

おたまに一杯注いでは、擦りこぎ棒で擦りながら混ぜる。

途中で味見しながら、出汁の量を増やしていくのが間違いなさそうです。

ぐにょぐにゅってします。すり鉢の上の方に着いたとろろは、棒で落としながら混ぜて擦ります。

機械は使うな!手を使え!ブライト風に

今更ですが、所々に現れるガンダムネタはスルーして大丈夫です。

もう、このくらいで出汁はいいかな。

回数を分けて混ぜることで、味の調整がしやすく、とろろとの混ざり具合も調整できます。

できたー!

やまだ家は、このくらいの粘り具合で食べてます。

器はもちろん美濃焼で。お気に入りの藤山窯さん(駄知町)のどんぶりと茶碗です。水色模様のは、うなぎの横綱さんでゲットしたもの。

炊き立ての新米ごはんで、頂くとしよう。

お米は、日本料理あん堂さんでも使われている日吉機械化営農組合様のハツシモをチョイス。断然、とろろ飯に合うんだな、これが。

ご飯を盛ったら。

とろーり掛けて

青のりをふりかける。

では、いただきます!

味も香りも最高。口福(こうふく)です。

 

1月2日はとろろ汁の日

新年は、自然薯、とろろ汁を使ったとろろ飯。いかがでしょうか?

作るのが大変とか、面倒だとかありますが、食材が良ければその苦労も報われますし、道具が良ければ苦労も軽くなります。

とも知れば、作らない理由が見つからない。

自然薯が食べられ無い人は、この動画で一緒にエアとろろ飯を楽しみましょう。

 

 

 

残った半分は、お正月に。

残った半分は水を含ませたキッチンペーパーで包んで、さらにラップで包み冷暗所で保管。切った断面から水分が抜けないようにするのが大切。乾燥も良くないです。

 

①すり鉢「マルホン製陶所」

https://suribachi.co.jp/

 

②自然薯「小川農園 小川屋」

https://ogawa-nouen.jp/

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