2021年8月「13日の金曜日」からはじまる3日間、土岐市の大雨、土岐川の濁流を見て、そして断水を経験して思わされたことなど。役に立ったサイトや情報サービスなど。
0:43 突然の緊急速報
お盆休みの8月13日(金)。昼過ぎまではポツポツの雨が夜になると大雨と暴風に変わり、14日(土)深夜0:43 、みんなが寝静まっているだろうこの時間にスマホから鳴り響いた緊急速報。
ライブカメラを観ると、そこには増水した土岐川が映っていました。
自宅の対岸にあたる土岐川 肥田町の浅野緑地公園。芝生広場には川の水が流れ込み、舗装されたコンクリートのサイクリングロードは見る影もありません。
写真下、普段はこのような状況です。
別アングルからだと、完全にサイクリングロードの丸いロータリー部を越えて浸水していました。
おりべチャンネルのライブカメラ映像を見てもびっくりの状況。
警戒レベル4の避難指示が出される。
その後、土岐市より発令された【警戒レベル4】の避難指示。
警戒レベル4は「氾濫危険水位」、土岐市の指示では「危険な場所から全員避難」という特に危険な状況。
筆者が住む家は泉町の土岐川周辺にあたるのですが、この浅野緑地公園の対岸にあたり、堤防もかなり高い為、避難すべきか、もう少し様子を見るか躊躇してました。(幸いにも妻子は実家に帰っていたので、自分一人でした)
今度は妻木町で土砂災害による警戒レベル4 避難指示が発令。
防災バッグは買ってあるが・・・
こうした防災バッグのセットは通販サイトでも売っているんですが、これをもって避難場所に行くのか?スマホと財布だけでいいのか?すごく迷いましたが、結果避難場所に行きませんでした。
勝手な判断ではありますが、筆者の住宅は川より高い場所にあり、いつでも避難できる状況を保ちつつ、常時災害状況をチェックできる状況で居たかったのが本音。
避難場所に行ってしまえばテレビやスマホ、PC、ラジオ、CATVなど随時同時に情報を得られる手段が減ってしまうことや、余計な気遣いなどしなくていい一人の方が良かったから。でも、こうしている間にも状況が良くならないので不安いっぱいでした。
8/16 土岐川に架かる橋を見に行ってきましたが、危険レベルはこの高さです。
支柱のベースから、身長172cmの筆者が背伸びせず手を伸ばしても「警戒レベル」の高さです。それより高いところまで水位が来てたんですね。
なかなか止まない雨。
深夜2時半以降、少しずつ水位が下がり「警戒レベル3」に変わりましたが、雨が止んだ訳ではなく、まだまだ予断を許さない状況でした。
避難所には行かず、常時スマホ(主にSNSでチェック)、PC(各防災サイト)、テレビ(NHKとCATVのライブカメラ)、ラジオ(NHK)を使って、情報収集を行っていました。
3:08 土岐津、肥田町、泉の避難指示解除
一人自宅にて不安の中、SNSでのフォロワーさんとのやりとりに勇気づけられ深夜3:08。土岐川の洪水警戒レベルが2に下がり、避難指示も解除。これでようやく一眠りできる・・・
肥田浅野緑地公園のサイクリングロードが見えるまでに水も引きました。
ひとときの仮眠
寝たのかどうかよくわからない2時間ほどの仮眠。ライブカメラの様子をチェックしてみると、肥田浅野緑地公園の水がだいぶ引いていました。日が出ていてよくわかる。
かと言いながらも、土岐川の濁流は以前として落ち着かず。
洗面で顔を洗おうと思ったら・・・
朝8時半ごろ、ライブカメラの映像を見てちょっとだけ安心したので、洗面で顔を洗おうと思ったら・・・
『水が出ない!?』
その後、広報ときより「水道管の破裂による断水」となっ!?
ライブカメラから見える、土岐津高山の信号手前付近の水道管が破損(経年劣化との結果報告)との様子。
土岐川を主軸に、土岐津町、土岐市駅前商店街(泉久尻町)、肥田町、泉町大富で約4600世帯の断水が発生。
10:20 断水からすでに3時間ほどが経過していますが断水の復旧見込み無し。。。
11:00 まだまだ断水は復旧されず、給水車が土岐市役所に配備されました。
そして大雨の影響による通行止め、電車運休・・・
土岐川周辺の断水が解消されない中、妻木町の土砂災害警戒と市内一部の通行止め、東海環状道路一部通行止め、JR中央線の一部運休なども発生。
東海環状自動車道は、せと品野IC~土岐南多治見ICが通行止めになった。
市内各地の一般道も通行止め区間が発生。
JR中央線では、高蔵寺~塩尻駅が終日運転見合わせ。
12:20 一部地域から断水解消
土岐市ホームページのお知らせが随時更新されていましたが、12:20時点では筆者宅ではまだ断水が続いている状況でした。
断水して特に困ったのがトイレ
水が出ないことで特に困ったのがトイレ。
運良く?お風呂の湯を洗濯用に残しておいた為、今回なんとかやり過ごせましたが用を足すたびに風呂場から桶で水を汲んで便器に流すのは面倒だし、雫が床にこぼれたりして手間がかかります。
ちょっと現実的な話ですが、小便なら2,3回桶で流せばある程度綺麗になりますが、大便(便の状態や便器の種類にも寄る)だと10回位流さないと綺麗にならなかったりします。(トイレ利用の為だけに、出かけようとさえ思ったくらい)
自宅は新築で建てたので、新しめのウォシュレットを使っていますが、旧式のようなトイレと違って桶で水を流しても意外にも効率的に流れてくれませんでした。リモコンの「流す」ボタンを押してもエラー音がしますし、当然ウォシュレットは水が出ません。
・・・新築で初めて不便を感じた瞬間でした。
エコキュート利用のお住まいなら、災害時にタンク内から水を取り出すことが可能です。各メーカー手順が違いますので、事前に調べておくと安心ですよ。
気分転換に遅めのランチ
流れない水を待っていても仕方ないので、小雨になった所で遅めのランチ。
近所(同じ泉町でも小学校側)のうどん屋さんに行きましたが普通に水が使えてましたし、普通にお客さんがうどんを食べてて、大将が調理している日常の風景を見て安心しました。そして、胃袋も満たされて、気分も満たされました。
13:35 やまだ家にも水が出た!
帰宅して洗面の蛇口を開くと、最初「ごぼっ、ごぼごぼ」っと音がして水が出るようになりました。が、ご覧の通り茶色く濁った水が出るわ出るわ。水圧の関係かと思いますが、2階の洗面とトイレの断水の復旧はその後、2時間後ほどかかりました。
浴室の蛇口からも。
キッチンも。
トイレも同じく濁り水がでます。
ライブカメラで水道修理の様子を見てみると、修理屋さんの車が撤収されていました。こんな時に本当にお疲れさまです。
5分程水を出しっぱなしにすると直る
16:30 土岐市より断水の解決についてメールが届きました。
水道管に入り込んだ錆が各戸に流れ込んでいるとのことでしたので、5分程水を出しっぱなしにしましたが、全然色が白く、今まで通りの透明さはありません。30分以上出しっぱなしにしましたが、ちょーっと綺麗になったかなっといった感じ。
トイレくらいならこの濁り水でも問題ありませんが、さすがに洗面や料理には使いたくないですね。
ちなみに、8月17日現在でもお風呂の湯が薄茶色に濁ってます。多分エコキュートのタンク内に入り込んでる・・・(入浴剤で色をごまかしてる現状です)
防災バッグに備蓄水がありました!
ポッドにお湯が満タンにあったので、カップラーメンは作れましたし、風呂水が残っていたので洗面もこれでやり過ごしました。お米を焚こうと思いましたが、水が汚いので断念しようと思った矢先、防災バッグの存在を思い出し備蓄水をゲット!
ちなみに、周辺スーパーではミネラルウォーターが売り切れになっていたそうです。
たまにこうして防災バッグの中身をチェック、見直しするといいですね。
大雨による土砂災害の警戒レベル4
「土岐川が何とか持ちこたえてくれたし、水も出るようになった~」と安心していたら、お次は妻木町に土砂災害の警戒レベル4 避難指示が発令。自分とは違う地区とは言え、お得意先様も多いので心配です。
雨が止まぬ一日。この日の夜もまた強く降り、翌朝まで雨がやまぬという状況。
この日、帰宅する予定だった妻子にも「今日は帰ってくるな」と伝えて、また情報収集と濁り水の排出に精を出します。
そしてこの夜、フォロワーさんよりこんな写真が届く。。。
なにーーー!古虎渓駅に土砂災害だとーー!
また不安な一夜は続くのであった。。。
8/15 9:40 妻木町の避難指示解除
雨も止み、妻木町の避難指示が解除されました。
東海環状自動車道 せと品野~土岐JCTまでの通行止めも解除。
12:10 土岐市に出されていた大雨警報も解除。
これでまた日常に戻るか・・・なんて思っていたが、
JR中央線 高蔵寺~塩尻駅間、明日も動きません!
運転再開は、17日以降。
16日中にこの土砂をどうにか出来るのか、心配でしたが
17日始発より運行を行う予定です!
16日(月)はマイカーで仕事に行かれた方、名古屋へ通勤、通学へ行けずお休みされた方、色々な方がいらっしゃったと思いますが、17日(火)より運行予定です。本数は少ないかもしれませんが、時間と気持ちに余裕をもって乗車されたい。
被災して感じたこと
そんなこんなの13~16日の出来事。
この3日間の自分のSNS投稿は、古い情報で他の方が誤解を招くと行けませんので整理しましたが、一人で居た大雨の夜、色々な方からコメントや最新情報を頂けたことで心細くなく、過ごすことができました。
ニュースで観る災害現場からしたら、自分に降りかかったことなど「被災」と呼ぶのもどうかと思いますが、実際にこれほどの土岐川の増水は、平成元年に起きた台風19号以来のようにも思えます。当時はまだ幼く、あまり記憶がありませんが友人宅が水浸しになったりしてました。(以下、国交省による資料)
【国土交通省の資料】令和元年台風第19号による被害等(PDFファイル)
子どもの頃は、親がなんとかしてくれたけど、自分が子を持つ親になった今、もっとしっかりと防災意識やツール、コミュニティなどを形成しておいた方がいいんじゃないかと改めて思えました。(今回、深夜の時間帯ともあったと思いますが、隣近所や町内会のコミュニティは全く機能していませんでした、むしろSNSに助けられました)
土岐市のハザードマップは秀逸です
皆さんのお住まいの地域にハザードマップが用意されていると思いますが、土岐市のハザードマップは秀逸で愛を感じるほどの作りこみだと思います。
広げるとかなり大きいですが畳めばA4サイズほどです。
裏面には地図にもなっていて、どのエリアが何に弱いか?過去にどこでどんな災害があったか?など予習復習できる優れものです。普通にマップとしても十分だと思います。これほどの情報はスマホでぐぐっても集められません。
お手持ちでない方は、ぜひ土岐市役所へ行って貰ってきてください。
災害時で役に立ったサイトやサービス
以上のキャプチャ画面にもありますが、今回情報収集に役に立ったサイトやサービスをご紹介します。今後、同じような状況下でもきっと役に立つと思います。
行政が運営するサイトではPC向けサイトが多いので、スマホで見やすく操作しやすいものとした基準。
国土交通省 中部地方整備局 庄内川河川事務所
土岐川の状況を知るのに役立ちました
https://www.cbr.mlit.go.jp/shonai/index.php
土岐川上流域図
https://www.cbr.mlit.go.jp/shonai/cams/?map_M1.htm
土岐川のライブカメラが閲覧できます
Yahoo天気災害
https://weather.yahoo.co.jp/weather/
週間天気予報だけでなく、雨雲レーダーも便利です
庄内川・土岐川の水位情報
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/river/8505080001/
土岐川の水位がチェックできます
JARTIC 日本道路交通情報センター
https://www.jartic.or.jp/
高速道路、一般道の状況が確認できます
JR東海
https://jr-central.co.jp/
在来線運行状況が随時チェックできます
JR東海中央線のTwitterも便利です
https://twitter.com/JRC_Chuo
土岐市ホームページ
https://www.city.toki.lg.jp/
「注目情報」の部分が随時更新されます
~メール通知サービス、アプリなど~
常時サイトをチェックするのは大変ですが、メールやアプリでチェックできるサービスもあります。
土岐市情報提供サービスについて
https://www.city.toki.lg.jp/docs/hpg000009350.html
広報とき(防災無線)、ごみ回収、乳幼児向け情報、給食センターお知らせなどメールで届きます
瑞浪市民情報メールマガジン(防災・防犯「絆」メール)
https://www.city.mizunami.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/388/kizuna.pdf
広報みずなみの情報を中心にメールで届きます、LINE公式もあります
おりべアプリ
https://oribe-net.co.jp/top_news/2021/04/14789/
おりべネットワークさんが提供する無料スマホアプリ。防災無線やライブカメラなど確認可能
岐阜県警防犯アプリ&安心・安全メール
https://www.pref.gifu.lg.jp/site/police/2658.html
災害とは別ですが事件事案情報、防犯ブザー機能などあります
中部電力パワーグリッド アプリ
https://teiden.chuden.jp/pr/index.html?cid=ul_bn2
停電情報など確認できます。カテエネから登録でメールで受信もできます
radiko.jp
https://radiko.jp/
ご存じインターネットラジオサービス。NHKも聞けます。
Zenly ゼンリー
https://zen.ly/ja
位置情報確認アプリ。いつどこに居るかがGPSで確認できるアプリ。家族などに限定しておくと便利。 サービス終了しています。
セラトピア土岐前の土岐川の様子
濁流に飲み込まれた土岐川河川敷の様子を安全が確保できる状況下で撮影してきました。やはり相当な豪雨だったと認識できます。
まずは被害前の状態
2021.8.14 の豪雨災害後(撮影:2021.8.16)
橋の支柱には漂流物が絡まっています。
ここはイベント開催時や成人式などの際は臨時駐車場となっていた場所です。整備されていましたが、ご覧の通りぐっちゃぐちゃです。
大きな水たまりが所々に出来ていました。
写真中央左には丸いタイルゾーンが残っている?いや、どっか上流から流れ着いた?もともと地中に埋まっていた?
写真下、この丸い闘技場のようなリング。どっかから流れて来たという噂も・・・表面のタイルは所々はがれています。
ここも憩いの場として整備されていましたが、荒れ果ててしまいました。砂利や石ころが多くて歩きにくいです。犬の散歩には向かない場所になりました。
壊れた傘がありました。どっかから飛んできたかと思われますが、こんなものじゃない暴風だったと思います。
コンクリートのプレートが至る所に散乱していました。これは遊歩道に使われていたものか分かりません。
土岐川の水位を図る標識があります。
自分の身長(172cm)が手を伸ばしても警戒レベルの域です。
まるで変ってしまった光景を目の当たりにしました。
今年2021.2月に終えた河川工事が効果があったと思いたい。
消防本部側や、肥田川との合流周辺をこの時期、河川工事されていました。この工事が行われていなかったら、とっくに土岐川は氾濫していたのかもしれません。