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【名古屋市東区・文化のみち】旧川上貞奴邸・二葉館(ふたばかん)と撞木館(しゅもくかん)を見学して歩きました。今もこうして歴史に触れられる事、有難く感じます。

時を刻む名古屋のみち。

「時間と体力と気力が揃えば行きたいなぁ」とわがまま満載な願望をもったまま時間ばかりが流れていく訳なんですが、そんな立ち寄りたいスポットの一つに名古屋東区にある「文化のみち」スポット。

名古屋城から徳川園に至るエリア一帯を「文化のみち」と名付け、江戸時代から明治、大正へと続く、近代的な建物や歴史遺産が今も残され、保存と活用が進められています。

中には一般開放され、自由に見学ができるスポットも多く、有難いの一言に尽きます。

っと言う訳で、これまでに「名古屋城」「名古屋市政資料館」「徳川園」と歩いた経験もある筆者。

今回は、東区撞木町にある「二葉館」にやって参りました。

周辺には白壁、金城学院、そして歴史を物語るような料亭や喫茶などもあり、名古屋市の栄エリアとはまた違ったオシャレさ、ハイカラな風を感じました。

ビルやマンションの立ち並ぶ交差点の一角に、まるで現代に似つかわしくないオレンジ屋根の近代的なお屋敷が二葉館(ふたばかん)。

こんな素敵なお屋敷に足を踏み入れることができるとあれば、建築好きさんでなくても気分が上がる。

 

専用駐車場があります。

駐車場は、二葉館のすぐ裏にあり、10台分あります。

1回300円で30分以内は無料。

毎週火曜日~日曜日の午前10時~午後5時までと時間範囲はありますが、ゆっくり見学して1時間程。とても有難いです。

※あくまで二葉館利用者の為の駐車場です。午後5時を過ぎると施錠されて車が出せなくなる恐れがあります。

3ナンバーでも問題なく停められるほどのスペースなので安心。

まず車を枠線内に停めたら、料金精算機で発券します。

筆者はあまりの建物の素晴らしさに目を奪われ、発券することを忘れてしまっていたのですが、帰りの際、受付の方に事情をお伝えしたら難なく発券をしてくださいました。

車を降りて、二葉館の玄関へと向かいます。

どの角度から眺めても立派。

そして、どこを切り取っても絵になる。

正面入り口までやってきました。

なんだかちょっと緊張しますが、中に入ります。

 

日本の女優第一号と言われた川上貞奴さんの住居。

入り口に掛けられた建物の概要。

この建物は、日本の女優第一号と言われた川上貞奴が、大正時代に居住していた建物を移築復元したものです。とのこと。

先にお伝えしますが、筆者は歴史や建築には詳しくありません。

一観光者としての浅い知識にも満たないことをご了承ください。

 

詳細は「文化のみち二葉館」公式サイトもご覧頂きたいと思います。
https://www.futabakan.jp/

スリッパに履き替え、玄関の受付にて200円を支払い入館します。

この時、すぐ近くにある歴史建築=撞木館(しゅもくかん)も一緒に向かわれる方は、共通券(320円)を購入されると少しお得です。もしくは、名古屋市交通局が発行する「ドニチエコきっぷ」を提出しても少しお得に入館できます。(200円→160円)

 

公式サイトより転載

 

開放的な大広間には、美しいステンドグラス。

玄関から先へと進むと、大広間があります。

他の観光客がいらっしゃった為、奥行きを撮れていませんが建物を解説する動画が暖炉上に設置されたモニターに映し出されていました。

緑色のソファーの感触は当時のままでしょうか。ものすごく沈み込んで、そこから立ち上がれなくなりそうでした。

館内は、近代的な建物で歴史的な建築でありながらも、エアコン、エレベーター、ウォシュレットなど随所に組み込み観光客に優しい空間づくりをされています。

この時、時刻は15時半過ぎ。

ちょうど陽が傾きはじめ、西日がステンドグラスに差し掛かって綺麗でした。

らせん階段で二階へと向かえますが、まずは一階を散策。

この階段に並んで写真撮影も良さそうですね。

 

写真撮影OKです。

こんな素敵な空間なら写真撮りたいですよね。

入り口にも掲示されていましたが、館内撮影はOKです。

しかし、三脚や一脚、自撮り棒などを用いての撮影はNGです。

モデル撮影やロケーション撮影、コスプレ撮影なども、他観光客に迷惑になったり、建物の損傷にも繋がるリスクがあり、事前に申し出が必要。

館内は当時を物語る資料が多数並べられています。

消失してしまえば、復元不可能な重要な文化財。

防災対策もしっかりとされています。

会合などにも利用できる様子でした。

駐車場側には、貸室があり会議テーブルと椅子も並んでいました。(こんな素敵な空間で会議してみたい)

奥に設置されているサーキュレーターがアンマッチですが、これも建物保全の為に必要な設備。

フローリング床でさえも、ヘリンボーン型に組まれたオシャレな床。

ヘリンボーン=ヘリン(ニシンの魚)ボーン(骨)

魚の骨のように、V字型に組まれた板の模様。

このヘリンボーン柄のフローリングですが、ヨーロッパの歴史建造物に採用され、日本でも明治、大正時代は多くの建築家が採用されていたようです。(ルーブル美術館や、ジョサイア・コンドル、フランク・ロイド・ライトの建築にも採用されていた)

 

二葉館ではありませんが、実際に三重県桑名市の大工さん(宮田建築さん)にて、ヘリンボーン床を組む工程を拝見させて頂いたことがあります。

三重県桑名市・宮田建築様HP
https://miyatakenchiku.jp/

岐阜県東白川のサクラの木材を用いて、一寸狂いなく、一個一個手作業でカットしていきます。

木枠へ仮組み立て。

ここまでの工程は、かなり割愛していますが、一本一本の木材に隙間が出ないよう敷き詰めて行きます。

実際に、触らせていただきましたが、爪を立てても溝を感じない程、正確で卓越した技術、そして気の遠くなるような作業だったと思います。(大工ご本人は、完成をイメージしながら楽しかったとのこと)

見る角度によって色合いが変わるのも、ヘリンボーン型に組まれたフローリングの魅力の一つ。

クッションカーペットにも、ヘリンボーン柄はありますが木で組まれたものとは、全く別物です。

そして、経年による風合いが増すのもまた魅力。

話が逸れてしまって申し訳ありません。

建築に関し、大工がどれだけ愛情、情熱をもって建てたのかを想像しながら見学するのもまた。

まだまだ一階部は終わりません。

展示室となったこちらは仏間、そして婦人室でしょうか。着物の展示もされていました。

 

男女別々のトイレも完備。

館内は男女別々のトイレ、車いす対応のトイレ完備。

歴史的建造物を多くの方に見て、知って、楽しんで頂きたい、そうした想いがトイレに現れています。

なお、エレベーターはこの隣にあります。

明治維新後の上流階級の間では、伝統的な和館の脇に洋館を置く「和洋館並列型住宅」が広く浸透したとのこと。

おぉ!そういえば、三重県桑名市にある六華苑も和洋折衷の「和洋館並列型住宅」でした。

六華苑 公式サイト
https://www.rokkaen.com/

こちら六華苑の設計建築家は、ジョサイア・コンドル。

コンドル氏といえば、上野博物館や鹿鳴館、それに愛知県犬山市にある明治村の建物の設計もされていますね。

何度と足を運んだことのある六華苑ですが、こちらもまた魅力的スポットです。

 

残すことに大きな意味があると思います。

またまた話が逸れました。

そんな名古屋市にある「文化のみち」について、市政と地域とボランティアが一体となって保全に取り組んでいる姿は、よそ者からみても羨ましい限り。

なんせ、一度壊してしまえば、もう二度と再建は出来ないもの。

壊すのは簡単、保つのは大変。

当時の時代背景や建築技術、素材などは、歴史的な遺産が物語る。残すことに大きな意味があると思います。

や~っと1階を回って、ようやく二階へあがるんだがね。

っと名古屋弁をかましつつ、らせん階段を上がって二階部へ。

名古屋市政資料館のミニ版のようなレイアウト。

二階は一階部よりも床面積が少なく、ぱっと見学ができそう。

敷地内の離れにあった白壁の倉。

日本の昔ながらの漆喰(しっくい)。

夏は涼しく、冬は暖かい性質をもった漆喰ですが、エコカラットの登場など令和の時代の家づくりにも見直されていますね。

通路を照らす灯りにも、歴史を感じます。

中の電球はLEDに取り換えられているかな?

スロープに並ぶフェンスにも、豪華なアクセント装飾が。

階段を覆う赤じゅうたんの留め具は、こんな立派なものなんですね。

 

二葉館(旧川上貞奴邸)の移築復元について

登録文化財を目指し、

  1. 創建当時の部分はできる限り保管材を使用する
  2. 改築時に転用された部分はできる限り元の場所に戻す
  3. 当時の使用場所が不明である保管材も出来る限り使用する
  4. 創建当時の材料や技術を再現する

といった方針が掲げられ、現在に至る。

なんと、二回の移築をされ、今日にいたる建物。

新年早々に、立ち寄れたことを嬉しく思います。

時刻は、16時前。

さて、文化のみちをハシゴします。

二葉館を出て、真っすぐ東片端方面へ徒歩4分。

 

山吹谷公園の前を通って、たどり着いたのがこちらの歴史的建物。

そう、ここが「文化のみち 撞木館」。

開館は10時半~17時まででしたので、時刻に間に合いました。

二葉館を立ち寄られたのであれば、ぜひ併せて行きたい撞木館。

またまた素敵な建物です。

文化のみち 撞木館公式サイト
https://www.shumokukan.jp

玄関にて、スリッパに履き替え入館します。

入館料は、大人200円ですが、先の二葉館にて共通券を購入した為、160円で入館できました。

おそらく、ここに来られる方の大半がカフェ利用かもしれません。

もれなく筆者も、甘いものチャージにてカフェ利用をさせていただきましたが、オーダーストップまであまり時間がない。

それでも、店内は女性客で大賑わい。

先にオーダーと決済をし、すみっこのカウンター席を利用させていただきました。(ペイペイ対応)

 

メニュー表(2024.1)

小学生以上は1人1オーダー制。混雑時は1時間での退店となります。

パンケーキ+ドリンクセットが人気とのこと。

甘いものが食べたかったので、もちろんオーダーさせていただきました。

期間限定でこのようなオリジナルメニューも有る様子。

最新情報は、SHUMOKU CAFE さんの公式Instagramが便利そうです。
https://www.instagram.com/shumokucafe/

 

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っと言う訳で、まずは甘いものチャージ!

自家製パンケーキと、ホットコーヒー。

コーヒーカップもまたレトロオシャレ。

 

カウンター席からは、庭園、そして学校がみえました。

奥には、テラス席もありました。

もう少し暖かくなったら、ここでの時間も素敵ですね。

 

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約600坪の武家屋敷が敷地内にありました。

時間があまりありませんでしたが、撞木館の館内を見て回ります。

赤じゅうたんの階段を登ると、レトロでオシャレな空間が広がっています。

大正末期から昭和初期にかけて建てられた邸宅。

懐かしい家電製品も。

撞木館は、陶磁器商として活躍されていた、井元 為三郎氏の邸宅。

名古屋で陶業事をはじめ、日本一の輸出陶磁器産地となるまでのことが掲示されていました。

オールドノリタケの椀皿。

陶磁器業の発展に、瀬戸市も大きく貢献された様子。

資料をしっかり読めませんでしたが、きっと美濃焼(岐阜県東濃地方の焼き物)産業も発展に貢献しているのではないかと思います。

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