やっちまったなぁ~。
先日、落として割ってしまった作家モノの器=京都府出身の松尾直樹さんの緑ガラス釉 輪花鉢。
なんだか「くっつけば直るヨ」みたいな感じで綺麗に(?)割れてるし、以前から器の修復である金継ぎに興味もあったし ”やってみよう” の精神で金継に挑戦しようと思いました!
やっちまったなあーわが子よ
ちょうど金継ぎ
やってみたかったんだよな)o(^-^)o pic.twitter.com/1H7w8Zi8Rk— 土岐をかけるやまだ™️®️ (@tokioxyamada) January 26, 2026
各地で金継ぎ教室が開催されてます。
いま、人気の金継ぎ。
日本人特有の”もったいない”の精神だけでなく、サスティナブルでエコロジーな感覚や、オシャレな要素からも世界中で金継ぎが注目されている様です。
かの、スターウォーズにおける、カイロ・レンが割れたマスクを直すシーンでは、日本の伝統技術の“金継ぎ”を取り入れていると話題になっています。
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【金継ぎ教室】を、インターネットで検索すると、地元だと多治見市市之倉にある「さかづき美術館」でも定期的に金継が教室が開催されていますが、漆を使った本格的な金継ぎの為、回を重ねて修復させる必要もあり、さらには人気の教室で満席御礼状態が続いています。
さかづき美術館|金継ぎ教室
https://www.sakazuki.or.jp/cultureprogram/data/000650.php
かと言って、金継ぎを習いに名古屋まで通うのも大変だし、Amazonで金継ぎキットを買ったはいいけど何だか難しそう・・・

山神温泉にて簡易金継ぎ教室を開催
そんな中「どっかないかな」っとInstagramにて発信してみると「よかったら簡易金継ぎ体験予約受付中ですよ!」っと土岐市下石町の山神温泉さんよりメッセージがっ!!!

めちゃくちゃ近所だし、何よりも1回(90分)の参加で修復完了とのこと。
っと言う訳で、簡易金継ぎの体験に申込して参りました。
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講師は、岐阜県各務原市の松本 志帆 先生。
簡易金継ぎの講師は松本先生。
岐阜県内を中心に各地で金継ぎ教室を開催されていらっしゃり、出身は、筆者と同じ土岐市で焼き物について幼い頃から馴染みがあったとのことです。
金継ぎ 松本志帆 先生のInstagram
https://www.instagram.com/kintsugi_mtmt/

開催日、当日。
この日の金継ぎ教室も満席御礼状態で、市内の方と言うよりも、多くの方が愛知県など近隣から来られた方でした。

ご存じの方も多いでしょうが、山神温泉さんにおかれましては、2026年3月末をもって閉館されます。
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大正9年の創業以来、100年以上に渡り営業されていた老舗旅館。

実は、筆者は近所と言いながらも初めて立ち寄ったのが2年前。
マルシェ開催をきっかけに、立ち寄ったのがきっかけです。

地元だから宿泊利用こそ機会がなかったわけなんですが、こんな素敵な場所が、すぐ近くにあったなんて知りませんでした。

閉館までに、日帰り温泉の利用可能日がございます。ぜひ、この機会に地元の方もお立ち寄りいただけたらと思います。
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旅館の広いロビーを用いて簡易金継ぎ教室
教室の会場は、山神温泉さんの二階にあたる広いロビーを用いて開催されました。

まずは、割れた破片を接着します。
鉢の割れた箇所に、陶器用樹脂の接着剤を爪楊枝に取って塗っていきます。

今回の様に簡易金継ぎの場合は、食品安全基準にクリアしたパテや樹脂を利用しますが、天然漆を使った本格的な金継ぎの場合についての説明もありました。

接着剤を塗った部分に、割れた破片をくっつけます。
ここで、 ”むにゅ” っとはみ出さないようにするのがコツだそうですが、後ではみ出た部分を削るので問題ありません。

こーれが、意外に綺麗にぴたっとハマるんですよね~
もう、金継ぎしてまた使ってくれと言わんばかりです。

硬化するまで20分くらい、マスキングテープで固定しておきます。

うーん、いいかんじ。

呼び続ぎにも挑戦!
鉢の硬化を待っている間に、もう一点修復したい器を修復します!
直すのは、なんと、土岐市の陶芸作家「小澤基晴」さんのブロンズ4寸小皿っ!!
小澤基晴さんのInstagram
https://www.instagram.com/ozawa_motoharu/

4年前に苦労して手に入れた小澤基晴さんの小皿、手に吸い付くようなサイズ感と質感、それに小澤さん自身の魂を感じ、捨てるに捨てられなかったお皿。捨てずにおいて良かった~。
大きく欠けた部分の補修にはパテを用い、小さく欠けた部分の補修には、先ほど接着剤として使用した樹脂を用います。(粉末のものは、砥の粉(とのこ)と言うもので、樹脂と混ぜてパテにします)

今回は、金継ぎの技法の中でも「呼び続ぎ」と呼ばれる方法で修復していきます。
本来なら欠損部と同じ形にまで、組付ける破片を削ってから接着させるのですが、簡易金継ぎ教室では時間の関係上、削る作業は行わず、そのままパテでくっつけて金継ぎを行います。

呼び継ぎで、生まれ変わる器。
呼び続ぎとは、割れた器の破片部を別の器の破片を用いて継ぎ足して新しい器として蘇らせる技法。
偶然にも、山神温泉さんが持っていた破片が、ジャストなサイズでカタチ!
これもまた奇跡的な「景色」になったのではないかと思います。
※景色=呼び継ぎによって蘇った風合いのこと

表面も補強の為に接着剤で固定します。

ちょっぴり欠けた部分も補強。

そうこうしている間に、鉢の接着剤が硬化終わりましたので、次の工程に入ります。

工程ごとに、先生がマンツーマンでレクチャしてくださるほか、本格的な金継ぎのことや器のことなど、色々なお話をお聞かせいただるので有意義だと思います。
っと言いながらも、作業に没頭して半分くらい聞き逃してしまいましたが、とても興味深い話の内容だったと思います。

はみ出た接着剤を削ります
硬化した接着剤が、むちゅっと出てしまっていますのでこれを削ります。
残しておいても問題はないのですが、金継ぎの仕上がりを綺麗に見せようと思うと、はみ出た部分は削ってなだらかにした方が良いとのこと。

デザインナイフを用いて削ることも多いようですが、教室では医療用メスを用いています。

小さくて扱いやすい点と、陶器を削るほどの鋭利さはない為、このメスが便利。

裏面もなだらかになるように、はみ出た部分を削っていきます。

ここでしばしの小休憩。
山神温泉さんより、ハーブティーとクッキーが出されました。

続いて、表面処理を綺麗に仕上げる為に”トクサ”を用いて接着剤の残りを削り取っていきます。
Amazonにて購入した金継キットでは、サンドペーパーが入っていましたが、釉薬など器の表面まで削らないようにするため、削るための草を用いているとのことです。

時間はかかりますが、サンドペーパーよりも優しい風合いに表面が仕上がったように感じます。

いざ、金彩へ
接着剤の硬化もし、つなぎ目の表面も綺麗に仕上げたら、金を塗っていきます。

溶かした金粉を細い筆に取り、金継ぎ、呼び継ぎした箇所に塗って行きます。
ちなみに、教室では金色と銀色で選ぶことができました。

小澤さんの小皿は、ブロンズ色。
これは、間違いなく金色が似合うだろうと金粉で彩っていきます。

裏面の溝をあえて金で塗ってみました。
なんとなく、カイロ・レンの要素を取り込んで、新しい景色を作ってみました。

たっぷりと金粉を塗ります。

金粉が乾くまでに1日~数日はかかるとのこと。
結構たっぷり塗ったので、3日以上は置いておいた方がいいかも??

続いて、鉢は銀色で仕上げたいと思います。

金粉はゴージャスな印象があり、銀粉はクールな印象を感じます。

緑ガラス釉にも金粉が似合いそうですが、夏の涼し気なイメージで仕上げる為に、銀粉を用いてみました。
筆で線をなぞり描く感覚ではなく、つなぎ目に銀粉を落としていくようなイメージで塗って行きます。

だいたいこんか感じになりました。



先生曰く、線の強弱をつけても面白いそうです。
次回、金継ぎを行う際は、線の描き方もイメージしながら仕上げたいと思います。

金継ぎによって蘇った器
没頭し、黙々と作業に集中することの楽しさは、学生時代に趣味であったプラモデル作りにも似ている感覚。

ボンドでくっつけて、バリを削って、塗装して・・・
かれこれ20年以上前の感覚が、金継ぎ体験で甦りました。




お気に入りが、より、お気に入りに。
お気に入りの器が割ってしまった・・・また買えばいいや。
確かにそれも間違いではないですし、また買えるということも有難いこと。
だから(業界としても)また買って貰えることで良いことでもあるのですが、他にも「直してみる」という選択肢があることを、ぜひ知って貰えたらと思います。

金粉の硬化が心配なので、料理を盛るのは、もう数日経ってからにしようと思います。
世界に一つだけの器。
実際に、簡易金継ぎを行ってみて、初心者でも短時間で簡単・安価に修理できましたし、天然うるしを使わないため、かぶれたりするリスクはありません。

何より、自分で考えて、直して、また使えるようになる感覚って、例えば、自動車だったり、パソコンだったり、文房具だったり、何にでも共通して生まれる愛着ってありますよね??(特に男性)
器も、仕上がった風合いから、お気に入りが、いっそうお気に入りになること間違いないと思います。
そして、蘇った器が魅せる新しい「景色」を、ぜひ感じていただきたいと思いました。


金継ぎ教室へのお問い合わせは、松本さんまで。
金継ぎ 松本志帆さんのInstagram
https://www.instagram.com/kintsugi_mtmt/
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